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生命科学部  /
生命情報学科

 ナガノ   ミノル   (男)
 長野    稔   助教
 MINORU   NAGANO

■出身大学院・出身大学他
2005/03  京都大学  理学部  卒業
2010/03  東京大学大学院  理学系研究科  生物科学専攻  博士課程  修了
■取得学位
博士(理学) (2010/03 東京大学大学院)  
■職歴
2007/04/01-2010/03/31  日本学術振興会特別研究員DC1
2010/04/01-2011/03/31  埼玉大学大学院理工学研究科 研究員
2011/04/01-2014/03/31  日本学術振興会特別研究員 PD(奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科)
2014/04/01-2014/09/30  奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科 研究員
2014/10/01-2018/03/31  埼玉大学大学院理工学研究科 助教
2018/04/01-  立命館大学生命科学部生命情報学科 特任助教
■所属学会
日本植物学会  
日本植物生理学会  
日本生化学会  
日本植物脂質科学研究会  
■研究テーマ
細胞膜に点在する脂質・タンパク質集積ドメインであるマイクロドメインが植物免疫を制御するメカニズムを解明する
■研究概要
細胞膜マイクロドメインが制御する植物免疫システムの解明

 植物にとって病害は、年間約15%もの農作物に被害を与えるなど、解決すべき深刻な問題の1つとして挙げられる。一方、植物は病気から身を守るために独自の免疫システムを植物細胞内に備えている。数多くの因子によって複雑に制御される植物免疫の中で、細胞膜に存在する因子は抵抗反応の初期応答に関与しその後の免疫反応を左右するため、非常に重要であると言える。最近、細胞膜は均一ではなく、マイクロドメインと呼ばれる小さく特殊な脂質・タンパク質集積領域が点在することが明らかになってきた。植物免疫に関与するタンパク質もマイクロドメイン上に多く存在するが、マイクロドメインが植物免疫に作用する役割やメカニズムはこれまで未解明である。本研究では、マイクロドメイン主要構成脂質であるスフィンゴ脂質を改変することにより、マイクロドメインが恒常的に減少した植物系統を作出し、植物免疫におけるマイクロドメインの細胞学的機能を明らかにしている。これまでにイネのマイクロドメイン減少植物系統を用いて、イネいもち病感染時に植物免疫のスイッチタンパク質である低分子量Gタンパク質OsRac1と活性酸素種を産生するNADPHオキシダーゼOsRbohがマイクロドメインに一時的に移行することにより、活性酸素種の産生を促進し、耐病性をもたらすことを明らかにした。イネに加えて他の植物の免疫におけるマイクロドメインの重要性も明らかにすることにより、マイクロドメイン機能の共通性や相違性の理解を目指している。また、マイクロドメインの利用により、汎用性の高い複数の病害に対する耐病性強化植物の作出も目指している。本研究を将来の農作物への応用の基盤作りに役立てたいと考えている。
■研究キーワード
植物、免疫、細胞膜、マイクロドメイン、スフィンゴ脂質 
■研究業績一覧  (上位3件までを表示します。一覧表示では、公開対象の全件を表示します。)

論文
One of the NAD kinases, sll1415, is required for the glucose metabolism of Synechocystis sp. PCC 6803  Yuuma Ishikawa, Atsuko Miyagi, Toshiki Ishikawa, Minoru Nagano, Masatoshi Yamaguchi, Yukako Hihara, Yasuko Kaneko, Maki Kawai-Yamada  The Plant Journal  2019
Arabidopsis Bax inhibitor-1 interacts with enzymes related to very-long-chain fatty acid synthesis  Minoru Nagano# (#corresponding author), Chikako Kakuta, Yoichiro Fukao, Masayuki Fujiwara, Hirofumi Uchimiya, Maki Kawai-Yamada  Journal of Plant Research  132/ 1, 131-143  2019  10.1007/s10265-018-01081-8
An NAC domain transcription factor ATAF2 acts as transcriptional activator or repressor dependent on promoter context  Nagahage I, Sakamoto S, Nagano M, Ishikawa T, Kawai-Yamada M, Mitsuda N, Yamaguchi M  Plant Biotechnology  35, 285-289  2018
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研究発表等
スフィンゴ脂質による植物細胞膜ダイナミクスの制御  日本植物学会第82 回大会  2018
The Role of Sphingolipids in the Dynamics of Plasma Membrane in Plants  The 23rd International Symposium on Plant Lipids  2018
2-ヒドロキシスフィンゴ脂質によるシロイヌナズナ耐病性の解析  第81回日本植物学会大会  2017
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科学研究費助成事業
科学研究費助成事業データベースへのリンク

競争的資金等(科研費を除く)
膜ラフトを介した植物病害抵抗性機構の解明とその育種利用  日本学術振興会特別研究員(PD)  2011/04  2014/03  代表
スフィンゴ脂質代謝経路を介した細胞死抑制機構の解析  日本学術振興会特別研究員(DC1)  2007/04  2010/03  代表
細胞死抑制因子AtBI-1と相互作用する因子の解析  植物科学研究教育推進事業第一期  2006/01  2007/03  代表
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■研究者からのメッセージ
植物の細胞膜マイクロドメイン研究を通じて
 マイクロドメインは細胞膜の微小領域であり、その機能は植物では未だ解明されていない部分が多い。しかし、細胞膜には細胞内の恒常性の維持や細胞内外の情報や物質交換など、多岐に渡る役割を担ってる。そのため、マイクロドメインも多くの植物機能の制御に関与する可能性を秘めている。細胞膜マイクロドメインの研究を通じて、植物の未知の機能や新たな可能性を見出したいと考えている。