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食マネジメント学部  /
食マネジメント学科

 ヤスイ   ダイスケ  
 安井    大輔   准教授
 DAISUKE   YASUI

■兼務所属(本学内)
BKC社系研究機構   /
食総合研究センター
■免許・資格
社会調査士  (2009)    専門社会調査士  (2010)    学芸員  (2012)    狩猟免許  (2017)   
■研究テーマ
食の多文化化・多民族化の比較社会学的研究
食の文化遺産化にみるグローバリゼーションとナショナリズムの研究
食文化の調査研究方法に関する学際的研究
■研究概要
食と農をめぐる社会学的研究

 ■これまでの研究の概要
食という観点から、現代世界の社会問題を研究してきました。食は、食べ物・食べ方だけでなく、それを作り消費する人びとの行為、食べ方を規定する規範、生産・加工・流通のシステムまで含みます。食文化はその食の営まれる国・地域の歴史、異なる文化との相互作用、エスニック・ナショナルに動員される政治・社会的資源など、さまざまな要素が混じりあって形成されます。私はこうした社会的要素の絡み合う場所としての食を研究してきました。具体的には、国境を越える移民の食を対象にエスニックコミュニティにおける文化と差異の考察、また文化遺産としての食を対象にグローバル化の下で生じるナショナリズムの分析といった、社会文化理論と社会調査に基づく研究に取り組んできました。

■今後の研究の方向性
食の比較文化研究を継続しつつ、今後は日々の食の選択と所得や学歴の計量分析など、量的データの解析も用いて、多角的なアプローチから食と社会の問題を明らかにしたいと思います。学生時代から人文社会科学の若手研究者たちと領域横断的に食研究について学んできました。また食と農をつなぐ実践活動にも関心があります。今後はそうした学際ネットワークを食研究を志す人びとの互助へと発展できればと考えています。
■研究キーワード
文化,農業,移民,カルチュラル・スタディーズ,食,社会階層,都市,食文化,エスニシティ,社会学,文化人類学,ナショナリズム 
■研究業績一覧  (上位3件までを表示します。一覧表示では、公開対象の全件を表示します。)

著書
マルチグラフト:人類学的感性を移植する  神本秀爾, 岡本圭史  集広舎  見える境界・見えない境界 食と身体感覚から見るエスニシティ  2020/02  9784904213872
フードスタディーズ・ガイドブック  安井大輔  ナカニシヤ出版  「はじめに」「食と文化・社会」「食をめぐる危機」『築地』『ナチスのキッチン』「あとがき」  2019/03  9784779513732
農と食の新しい倫理  秋津元輝, 佐藤洋一郎, 竹之内裕文  昭和堂  第6章 食文化の「型」―文化遺産としての「和食」  2018/05  9784812217207
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論文
東京圏における地域格差──産業・職業・意識  安井大輔  日本労働研究雑誌  718, 40-53  2020/04  09163808
食とエスニシティ (特集 「多文化」化する日本の外食)  安井大輔  vesta  118, 44-49  2020/04  09180214
食物語―食の履歴に反映される時代(書評『7袋のポテトチップス』)  安井大輔  週刊読書人  3296, 6-6  2019/07
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研究発表等
移民と食文化 ~海を渡る沖縄そば~  第3回 やんばる食×文化フェスティバル ~世界とつながるやんばる 移民編~  2020/01/19
Washoku as Contemporary Phenomena in Japan from Sociological Viewpoint(現代日本における「Washoku」をめぐる諸現象-社会学的観点より-)  シンポジウム「 嗜好品としての『Washoku』」  2019/11/30
Representations of Urban Multiculturalism: The Case of Ethnic Food  メディア・移民・ナショナリズムの興隆 ヨーロッパとアジアの経験と視座の比較  2018/09/21
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その他研究活動
Report 和食文化を誰が担うのか?  月刊むすび  2020/04-2020/04
5 調べる(はなしを聴きに行く)  荒木優太編 『在野研究ビギナーズ』刊行記念ブックフェア 「調べ・考え・書き・伝え・集まるための書棚散策」  2019/12-
『フードスタディーズ・ガイドブック』推薦文  季報 唯物論研究(河上睦子)  2019/08-2019/08
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科学研究費助成事業
科学研究費助成事業データベースへのリンク
■社会活動業績一覧  (上位3件までを表示します。一覧表示では、公開対象の全件を表示します)

社会活動
明治学院消費生活協同組合  2018/05-2020/03
食の文化ライブラリー  2017/04-
サンパウロ人文科学研究所 日本支部  2013/10-
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■教育業績一覧  (上位3件までを表示します。一覧表示では、公開対象の全件を表示します)

担当授業科目
2020  基礎演習Ⅰ  演習
2020  入門演習Ⅰ  演習
2020  基礎演習Ⅱ  演習
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教育活動
夢ナビライブ  2019/06-2019/06
明治学院高等学校「大学出張講義」  2018/12-2018/12
社会学科コース演習テキスト  2018/04-
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■研究者からのメッセージ
社会学とはどのような学問か
  社会学と聞いて、中学・高校で教えられている地理・歴史(世界史・日本史)・公民(現代社会・倫理・政治経済)といった社会科科目を想像するかもしれません。地理学・歴史学・倫理学・政治学・法学・経済学・経営学はこうした科目の延長としてイメージが浮かびやすいでしょう。では社会科学の一部門とされる社会学はどうでしょうか。社会学は漠然としていて、何をどうすることか把握しにくいかもしれません。ですが社会学には独自の方法があり、さまざまな社会問題にくわえて、日常生活におけるさまざまな対象を「社会学的」に見ることができます。社会学の対象は、友人、家族、学校、SNS、会社、地方自治体、国家、世界などミクロ・マクロな規模の集団であり、自己、理念、階層、コミュニケーション、態度、システムなど理論的・抽象的な概念......と人間と人間のあらゆる関係(そして人間以外との関係)を含む広い範囲に及びます。つまり社会学は世の中のあらゆるものごと・できごとを対象にしているのです。

 ただしここで、なによりも重要なのは社会学的な見方です。何でも対象になるのですが、社会学的な見方からでないと、その対象をあつかっても社会学にはなりません。逆にこの見方を身につけると何を対象にしても社会学になるのです。

 では、社会学的な見方とはどのようなものなのでしょうか。ここが、教員によって少しずつ異なるところになります。私としては、さまざまな対象をとらえる自他の視点を「変化」させようとする見方と考えています。対象から離れて距離を取る、より近づいて中に入る、自分たちと異なる社会と比較する、長期的な時間の流れに置いてみる、といった方法が社会学には用意されています。これらの方法を通して、個々人の認識だけではとらえられなかった「社会」をつかもうとするのが社会学の基本的なスタンスだと思います。

 そのなかで、あなたが当たり前だと思っていた「常識」をくつがえされるかもしれませんし、逆に常識の精緻さを再確認することになるかもしれません。そもそも見えていなかった何らかの「対象」や「概念」が姿を表してくるかもしれません。しかし、いずれにしても社会学を知る前と後では、世の中の見え方は異なっているはずです。以前とは異なる見方を身につけると、自分自身や周囲に対する考え方も変わってくるでしょう。こうした変容は人によっては居心地の悪いことかもしれません。でもそれは同時に自己と社会を再考する契機でもあります。当たり前が当たり前でなくなる居心地の悪さと向き合いつつ、自分自身も一部である社会を調べ分析し新しい社会を考えることが社会学の始まりです。認識の変化は現実への働きかけに転換し、社会の変化はさらに人びとの意識を変容させます。このような個人と社会の相互フィードバックに対して、ときにその「外部」から、ときにその深奥から、人間と社会の変化を見いだす/考える/もたらすこと、これこそが社会学の学問としての姿勢ではないかと考えています。
■研究分野(ReaD&Researchmap分類)
社会学
文化人類学・民俗学
食生活学
地域研究
家政・生活学一般