English
生命科学部  /
生物工学科

 フクダ   ワカオ   (男)
 福田    青郎   講師
 Wakao   FUKUDA

■出身大学院・出身大学他
2000/03  京都大学  工学部  工業化学科  卒業
2002/03  京都大学大学院  工学研究科  合成・生物化学専攻  博士課程前期課程  修了
2005/10  京都大学大学院  工学研究科  合成・生物化学専攻  博士課程後期課程
■取得学位
博士(工学) (2005/11 京都大学)  
■職歴
2005/11-  関西学院大学 理工学研究科 ナノバイオ研究開発センター 博士研究員
2008/10-2009/03  立命館大学 総合理工学研究機構 ポストドクトラルフェロー
2009/04/01-  立命館大学生命科学部助教授
■所属学会
日本生物工学会  
日本Archaea研究会  
日本農芸化学会  
極限環境生物学会  
環境バイオテクノロジー学会  
■研究テーマ
超好熱菌の環境適応機構に関する研究~極限環境微生物は環境変化に対し、いかに対応するか
南極由来微生物に関する研究~南極に存在する不思議な微生物たち
自然環境中の微生物の工業的応用に関する研究~微生物による様々な環境汚染物質の除去や有用物質の生産
■研究概要
極限環境微生物の様々な環境に対する応答に関する研究

 極限環境に生息する微生物、特に熱水環境に生息する超好熱菌や、南極より単離された微生物を対象として研究を行っている。
<超好熱菌の生態に関する研究>
現在地球上に住む生物の16S rRNA遺伝子配列を元に進化系統樹を作製した場合、その根の近傍には80℃を超える高温環境下で生育する超好熱細菌・始原菌が位置する。このため超好熱菌は生命の起源であることが予想され、いまでも様々な議論がなされている。この点から超好熱菌に関する研究は生命の起源に関する知見が得られることが期待され、非常に興味深い。私は超高熱始原菌Thermococcus kodakaraensis(生育温度範囲60~100℃)を題材として、超好熱菌の生態に関する研究を行っている。本菌は全ゲノム塩基配列の解析が終了しており、代謝経路の推定が容易である。さらに遺伝子破壊系が確立しており、in vitro解析では困難な各タンパク質の生体内での役割について直接知見を得ることも可能である。
いくつかの超好熱性アーキアのゲノム上には、過去のウイルス感染に由来すると考えられる遺伝子領域が存在する。超好熱菌Thermococcus kodakarensisにもウイルスゲノムが挿入されて形成されたと推測される領域が4ヵ所存在する。しかしT. kodakarensisはウイルス粒子を形成しないため、これらウイルス様領域の存在意義は謎であった。そこで4つのウイルス様領域の存在意義を明らかにすることを目的として、ウイルス様領域遺伝子破壊株の解析を行った。その結果ウイルス様領域の欠損が生育に悪影響を与えることや、アミノ酸代謝関連遺伝子の転写に影響を与えることが明らかになった。
生命は環境に応答する際、遺伝子発現パターンを変化させる。前述のとおりT. kodakaraensisはゲノム解析が終了しており、様々な転写制御因子が同定されている。しかしそれぞれがどのような遺伝子の発現に関わるのかは不明である。そこで様々な転写制御因子の遺伝子破壊株を作成し、野生株との転写パターンを比較することにより、標的転写制御因子の細胞内での役割を明らかにしてゆく。
<南極由来微生物の単離と同定について>
南極は地球上で最も寒冷で、調査が困難な地域である。これまでに私は南極由来の環境試料より単離された新属・新種の2種類の細菌についてその珍しい特徴を明らかにし、新分類群の提案を行った。その一つがカラフルな岩石より単離された、細胞が枝豆状に連なった連鎖菌Constrictibacter antarcticus(南極由来の、くびれを持つ棒の意味)である。また他方が淡水湖より単離された多数の突起をもつ細菌Rhodoligotrophos appendicifer(突起物を持った、赤色の貧栄養性細菌の意味)であり、本菌ゲノムを用いてDNAの構造変化に関する解析も行った。さらに別の南極淡水湖湖底サンプルより単離されたプロテアーゼやアミラーゼなど様々な分解酵素を生産する細菌Lysobactor oligotrophicus(貧栄養性のLysobactor属細菌の意味)をLysobactor属の新種として提案した。さらに本菌が生産する暗褐色色素に関しても研究を進めている。
 以上の細菌に加え、培養時期により形態が著しく変化する細菌や、T字やY字型の形態を示す細菌などが南極由来サンプルより単離されており、それぞれの菌について分類や性状に関する解析を行っている。
■研究キーワード
極限環境、超好熱菌、アーキア、ストレス応答、環境適応、南極、細菌、微生物分解、ポリアミン、分子シャペロン、トランスクリプトーム解析、遺伝子破壊 
■研究業績一覧  (上位3件までを表示します。一覧表示では、公開対象の全件を表示します。)

著書
Long-chain and branched polyamines in thermophilic microbes、in “Polyamines: A universal molecular nexus for growth  Fukuda, W., Hidese, R. and Fujiwara,S  survival and specialised metabolism  2015/02  978-4-431-55212-3
Protein synthesis and polyamines in thermophiles: Effect of polyamines on nucleic acid maintenance and gene expression、in “Polyamines: A universal molecular nexus for growth  Fujiwara,S., Hidese, R. and Fukuda,W  survival and specialised metabolism  2015/02
生物工学よもやま話-実験の基礎原理から応用まで-  日本生物工学会 (編集)  学進出版  53-57, 158-163  2013/11  978-4-907773-05-2
一覧表示...

論文
Polymorphobacter multimanifer gen. nov., sp. nov., a polymorphic bacterium isolated from antarctic white rock.  Fukuda, W., Chino, Y., Araki, S., Kondo, Y., Imanaka, H., Kanai, T., Atomi, H. and Imanaka, T.  International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology  64/ 6, 2034-2040  2014
Identification of a Novel Aminopropyltransferase Involved in the Synthesis of Branched-Chain Polyamines in Hyperthermophiles  Kazuma Okada, Ryota Hidese, Wakao Fukuda, Masaru Niitsu, Koichi Takao, Yuhei Horai, Naoki Umezawa, Tsunehiko Higuchi, Tairo Oshima, Yuko Yoshikawa, Tadayuki Imanaka, Shinsuke Fujiwara  Journal of Bacteriology  196/ 10, 1866-1876  2014/03
Lysobacter oligotrophicus sp. nov., a bacterium isolated from a freshwater lake in Skarvsnes, Antarctica.  W. Fukuda, T. Kimura, S. Araki, Y. Miyoshi, H. Atomi, T. Imanaka  International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology  63/ 9, 3313-3318  2013/09  10.1099/ijs.0.051805-0
一覧表示...

研究発表等
超好熱菌Thermococcus kodakarensis由来転写制御因子Lrp/AsnC  第17回極限環境生物学会年会  2016/11/26
Genetic Analyses of the Functions of [NiFe]-hydrogenase Maturation Endopeptidases in the Hyperthermophilic Archaeon Thermococcus kodakarensis  Extremophiles 2016  2016/09/15
Transcriptional Regulators in Hyperthermophilic Archaeon Thermococcus kodakarensis  Extremophiles 2016  2016/09/15
一覧表示...

科学研究費助成事業
科学研究費助成事業データベースへのリンク

研究高度化推進制度
研究推進プログラム   科研費獲得推進型     超好熱菌の転写制御   代表   -   2016/06-2017/03   2016   200,000   
研究推進プログラム   若手研究(旧 若手スタートアップ含む)     超好熱菌に存在するウイルス様領域の必要性   代表   -   2011/08-2012/03   2011   500,000   
研究推進プログラム   若手研究(旧 若手スタートアップ含む)     南極由来生物の分離と同定   -   国内   2010/06-2011/03   2010   500,000   
一覧表示...

受賞学術賞
立命館大学生命科学部  若手教員奨励賞  2013/01
一覧表示...
■教育業績一覧  (上位3件までを表示します。一覧表示では、公開対象の全件を表示します)

担当授業科目
2016  (教)生物学実験  実験・実習・実技
2016  環境バイオテクノロジー特論  講義
2016  生物科学1  講義
一覧表示...

教育活動
専門科目「環境資源学」におけるコミュニケーションペーパーを適宜利用した学生から授業の感想・要望聴取と授業改善への活用した。感想を書かせることで、環境問題への意識向上を促した。  2010/10-
専門科目「環境資源学」におけるコミュニケーションペーパー
を適宜利用した学生から授業の感想・要望聴取と授業改善への活用した。聴取した内容を受けて、適宜生徒の知りたい内容を授業に取り上げた。  2010/10-
一日体験入学(高校生を立命館大学生命科学部に招き、実験を通して生命科学部を知ってもらうという企画)。全体の運営、及び高校生への実験の指導を担当した。  2010/08-2010/08
一覧表示...
■関連URL
 立命館大学 生命科学部 生物工学科 環境バイオテクノロジー研究室 (今中研)
■研究分野(ReaD&Researchmap分類)
分子生物学
生態・環境
応用微生物学