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経営学部  /
経営学科

 イシカワ   リョウタ   (男)
 石川    亮太   教授
 Ryota   ISHIKAWA

■兼務所属(本学内)
経営学研究科
衣笠総合研究機構   /
コリア研究センター
■出身大学院・出身大学他
1997/03  大阪大学  文学部  史学科東洋史学専攻  卒業
2003/03  大阪大学大学院  文学研究科  文化形態論専攻  博士課程後期課程  修了
■取得学位
博士(文学) (2003/03 大阪大学)  
■職歴
2000/04-2003/03  日本学術振興会特別研究員(DC1)
2003/04-2004/03  佐賀大学経済学部講師
2004/04-2012/03  佐賀大学経済学部助教授(2007年4月より准教授)
2007/04-2008/09  韓国ソウル大学校奎章閣韓国学研究院客員研究員
2012/04/01-  立命館大学経営学部准教授
2014/04/01-  立命館大学経営学部教授
■所属学会
史学会  
社会経済史学会  
東洋史研究会  
朝鮮学会  
韓国朝鮮文化研究会  
朝鮮史研究会  
歴史問題研究所(韓国)  
経済史学会(韓国)  
韓国歴史研究会(韓国)  
釜慶歴史研究所(韓国)  
■研究テーマ
近代東アジアの国際商業
朝鮮の植民地経済・金融
■研究概要
近代朝鮮をめぐる広域商業・金融ネットワークの形成過程

  朝鮮は1876年の日朝修好条規により「開港」を迎えます。この事件は、1910年の植民地化に向かうワン・ステップと理解されることが多いのですが、そのような見方は事の一面を捉えているに過ぎません。当時の東アジアでは、通商条約に基づいた開港場貿易の拡大を通じて、各地域の急速な市場経済化を伴いながら、密度の濃い地域内市場が形成されつつありました。朝鮮の開港は、単に日本に対する開港であるだけでなく、広く東アジア市場に対する開港でもありました。
 このことを象徴的に表しているのは、例えば、朝鮮への華僑商人の進出です。19世紀末、アジアの地域内貿易の担い手となっていたのは、地域の商慣習や嗜好に習熟したアジア人商人であり、とくに海外に移住した中国人=華僑商人は重要な役割を果たしました。日本の神戸や横浜の中華街も、この時期の華僑商人の活動を通じて形成されたものです。同じように朝鮮の開港場や主要都市にも華僑商人が進出し、中国や日本の中国人商人と連絡を取り合いながら、貿易に従事していました。
 私の研究のテーマの一つは、このような華僑商人が構築した広域的な商業・金融ネットワークを復元することによって、近代東アジア市場の中での朝鮮の位置づけを明らかにすることです。具体的には、当時の華僑商人が残した経営資料(書簡や帳簿類)を分析することによって、彼らの商業活動の実態を明らかにしようとしています。
 さてこのような華僑商人の活動は、それ自体が興味深いものですが、加えて日本による朝鮮の植民地化過程を考える上でも重要な手がかりを提供しています。日露戦争後に急速に進行する植民地化の過程で、朝鮮経済は日本の植民地帝国の一部に深く組み込まれてゆきます。それは同時に、それまで華僑商人らによって形成されてきた東アジア市場との関係を大きく組み替えるものでした。日本の経済人や官僚、政治家もそのことを意識しており、華僑商人らと対決したり、時には妥協したりしながら帝国の経済を構築してゆきました。
 私のもう一つの研究テーマは、華僑商人の存在が日本の植民地帝国のあり方にどのような影響を与えたかというものです。具体的には、日露戦争後の朝鮮における通貨・金融改革などの過程を、中国やそれ以外の地域との関係を念頭に置きながら、再検討する作業を進めています。
■研究キーワード
朝鮮史、日朝関係、アジア史、経済史、経営史 
■研究業績一覧  (上位3件までを表示します。一覧表示では、公開対象の全件を表示します。)

著書
帝国日本の移動と動員[執筆章:日清戦争前後の「朝鮮通漁」と出漁者団体の形成―朝鮮漁業協会を中心に]  今西一・飯塚一幸  大阪大学出版会  21-50  2018/01
近代アジア市場と朝鮮  石川亮太  名古屋大学出版会  2016/02
근대 동아시아의 공간 재편과 사회 편천(近代東アジアの空間再編と社会変遷)[執筆章:개한장을 둘러싼 이동과 제도의 상극 ―1880년대 부산 일본조계의 중국인 거주문제(開港場をめぐる移動と制度の相剋―1880年代釜山日本租界の中国人居住問題)]  인하대학교 한국학연구소, 중국 복단대학 역사지리연구중심(仁荷大学校韓国学研究所、中国復旦大学歴史地理研究中心)  ソウル:소명(ソミョン)  108-155  2015/05
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論文
書評:秋田茂編著『アジアからみたグローバルヒストリー―「長期の18世紀」から「東アジアの経済的再興」へ―」(ミネルヴァ書房・2013年11月)  石川亮太  西洋史学  264, 105-107  2017/12
韓国保護国期(1905~10)における華商の活動:駐韓清国領事館「商務報告」から  石川亮太  佐賀大学経済論集  49/ 4, 27-38  2017/03
朝鮮開港をどう考えるか : 拙著『近代アジア市場と朝鮮 : 開港・華商・帝国』に寄せて  石川亮太  News letter(近現代東北アジア地域史研究会)  28, 72-79  2016/12
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研究発表等
개항기의 일본인 출어와 부산(開港期の日本人出漁と釜山)  근대 부산과 동아시아의 수산업: 연구교류와 네트워크 형성 (近代釜山港と東アジアの水産業:研究交流とネットワークの形成)  2018/09/08
Korean merchants in treaty ports in the late nineteenth century  Multiple payment systems in globalizing economies(科研費補助金・基盤研究(B)「経済発展における重層的決済システムの役割と近代銀行史の再考」2017年度第1回研究会)  2017/12/15
書評:玄善允『人生の同伴者:ある「在日」家族の精神史』同時代社, 2017年8月, 419p.  朝鮮史研究会関西部会月例会  2017/11/25
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科学研究費助成事業
科学研究費助成事業データベースへのリンク

研究高度化推進制度
学外研究制度   -     朝鮮開港場における外国人貿易商の活動   -   国内   2015/09-2016/03   2015     日本 
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受賞学術賞
日本経済研究センター・日本経済新聞  第59回日経・経済図書文化賞  2016/11
 第2回井植記念アジア太平洋研究賞(佳作)  2003/10
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■教育業績一覧  (上位3件までを表示します。一覧表示では、公開対象の全件を表示します)

担当授業科目
2017  基礎演習Ⅱ  演習
2017  専門演習Ⅰ  演習
2017  専門演習Ⅱ  演習
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■研究者からのメッセージ
歴史学を学ぶということ
  歴史学というと、役に立たないものの代表のように思う人もいるかもしれません。確かに歴史学は、現実の課題を解決するうえで、直接のノウハウを提供してくれる学問ではありません。しかしそれでも、歴史は、決して知的な「飾り」に止まるものではなく、現実を生き抜く上で欠くことができない知恵の一部だと私は考えています。
 その理由の一つは、現実は過去の延長線上にあるということです。現実がこのようになっているのは、必ずこれまでの何らかの行き掛かりがあってのことで、それを忘れて目の前に見えている現象だけで判断すると、思わぬ問題を引き起こすことがあります。これは多くの人が同意してくれることでしょう。
 もう一つの理由は、歴史を知ることで、現代という時代がどのような意味で「特別な」時代なのかを知ることができるということです。私たちは、現在目にしている状況を当たり前のことのように考えてしまいがちですが、過去と比較してみることで、現在の社会が持つ特徴が浮かび上がってきます。歴史は決して同じ形で繰り返すことはありません。それだからこそ、現代という時代の特徴を測るための「ものさし」として使うことができます。
 考えてみると、このような歴史の役割は、経済学や経営学の理論と似ているところがあるのではないでしょうか。経済学や経営学で用いる理論は、それぞれ特殊な仮定を置いた上で成り立つもので、決して現実をそのまま反映するものではありません。しかし、現実の世界が理論上の世界とどのように隔たっているかを考えることで、逆に現実の社会の特質を浮かび上がらせることができます。つまり理論も現実を測るための「ものさし」として使えるという点で、歴史と同じ役割を果たすわけです。
 いかにも現実離れした歴史学の科目が、経済学や経営学の科目と並んで、社会科学のカリキュラムの中に入っている理由を、これで納得してもらえるでしょうか?
■研究分野(ReaD&Researchmap分類)
日本史
東洋史
経済史