研究者学術情報データベース

（最終更新日 : 2024-11-05 12:46:20）　

トヤ　ヒロシ
戸谷　洋志
TOYA Hiroshi

所属先端総合学術研究科

職名准教授

学歴
1.	2013/04～2019/03	大阪大学大学院文学研究科博士後期課程
2.	2011/04～2013/03	大阪大学大学院文学研究科博士前期課程
3.	2007/04～2011/03	法政大学文学部哲学科

職歴
1.	2024/04/01 ～	立命館大学大学院先端総合学術研究科准教授
2.	2021/04 ～ 2024/03	関西外国語大学英語国際学部准教授
3.	2019/04 ～ 2021/03	大阪大学国際共創大学院学位プログラム推進機構特任助教
4.	2018/10 ～ 2019/03	追手門学院大学基盤教育機構特任助教
5.	2018/04 ～ 2020/03	学習院大学文学部非常勤講師
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委員会・協会等
1.	2019/09 ～	実存思想協会幹事
2.	2015/08 ～ 2017/08	ASLE-J/文学環境学会院生組織代表

所属学会
1.		アーレント研究会
2.		ハイデガー・フォーラム
3.		応用哲学会
4.		科学技術社会論学会
5.		関西哲学会
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研究概要
私は哲学・倫理学を専門としており、ハンス・ヨナスを主要な研究対象としながら、それに連関させる形で、より広範的に技術思想および未来倫理学の研究を行っています。また、教育・社会連携活動として、哲学対話も携わっています。具体的には以下の通りです。 (１)ハンス・ヨナスの倫理思想の研究ドイツ出身のユダヤ人哲学者であるハンス・ヨナス(Hans Jonas 1903-1993)の倫理思想を研究し、その体系的な解釈を提示することを試みています。ヨナスは主著『責任という原理』(1979)において、現在世代が担うべき未来世代への責任を基礎づけ、世代間倫理と呼ばれる新しい領野を開拓しました。一方で、ヨナスがその思想をそこから形成するに至った理論的な基礎は必ずしも明らかになっていません。それに対して、『責任という原理』を中心にしながらも、それに前後する諸文献を横断的に検討することで、ヨナスの倫理思想に一定のシステムを見出し、それが今日においてどのような意義と制約を有しているのかを検討することが、私の研究の基本的な姿勢です。現在は、特にヨナスの歴史思想に関心を持っており、グノーシス研究、哲学的生命論、神話思想のなかで歴史に対する思想がどのように形成され、それが倫理思想においてどのような役割を演じているのかを解明することを、主要な研究課題としています。 (２)ドイツ語圏の現代思想における技術思想の研究ヨナスを中心としながら、マルティン・ハイデガー、ギュンター・アンダース、ハンナ・アーレントなど、20世紀の後半にはドイツ語圏をルーツとする哲学者たちによって技術をめぐる豊かな思想が展開されました。これらの哲学者に共通するのは、技術を素朴に批判したり、あるいは反対に技術を神秘的に礼賛したりするのでもなく、技術が人間の存在に対してもつ意味、世界に対してもつ意味を包括的に考察しようとした、ということです。また、これらの哲学者は相互に独立しているのではなく、互いに連関し合っていることも大きな特徴であり、そこには技術をめぐる思想史的な系譜とでも呼ばれるべきものが存在します。私は、これらの哲学者を研究することを通じて、人間と技術のよりよい関係を模索し、その望ましい姿への示唆を得ることを目指しています。 (３)未来倫理学の包括的研究現代社会のテクノロジーは人類の歴史上かつてない速度で進歩しており、その影響は多くの場合に不可逆的です。現在世代が世界に及ぼした影響は、そのまま未来世代へと継承されていくため、現在世代は未来世代の生きる環境を脅威にさらす力を持っていると言えます。そうした状況において、現在世代による未来世代への暴力を抑制するために、未来世代への道徳的な配慮のあり方について考える領域を、未来倫理学(Zukunftsethik)と呼びます。1970年代以降、未来倫理学は現代社会に求められる新たな学問領域として位置づけられ、様々な倫理学の原理論から独創的な議論が提示されてきました。私は、それらを個別的・断片的に扱うのではなく、包括的に捉え直し、その特徴や有効性を類型化することによって、現実の社会課題に対して応用可能な専門知へと整理していきたいと考えています。 (４)哲学対話の実践哲学対話は、その場に集まった市民が特定のテーマについて対等な立場で語り合う、対話型ワークショップです。私はこれまで、哲学対話を狭義の学術研究に留まらない哲学的思考の可能性として、教育の手法として授業内で実施したり、また社会連携活動として街中で実施したりするなど、哲学対話の実践に取り組んできました。現在は、大阪府京橋に位置するコワーキングスペース「OBPアカデミア」さんで哲学対話を行うほか、有志の学生による哲学対話サークルの顧問も務めています。

現在の専門分野
哲学、倫理学, 思想史 (キーワード：ハンス・ヨナス、ギュンタ―・アンダース、ハンナ・アーレント、マルティン・ハイデガー、哲学、倫理学、哲学対話、未来倫理学、テクノロジー、環境倫理、生命倫理、世代間倫理、科学技術、討議倫理)

著書
1.	2024/04/26	友だち関係で悩んだときに役立つ本を紹介します。 (14歳の世渡り術) │ (共著)
2.	2024/02	哲学のはじまり │ (単著)
3.	2024/02	恋愛の哲学 │ (単著)
4.	2023/12	親ガチャの哲学 │ (単著)
5.	2023/04	SNSの哲学 : リアルとオンラインのあいだ │ (単著)
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論文
1.	2024/01	メタバース現象考 : ここではないどこかへ(7) │ 群像 │ 79 (1),398-407頁 (単著)
2.	2023/12	メタバース現象考 : ここではないどこかへ(6) │ 群像 │ 78 (12),414-423頁 (単著)
3.	2023/12	原子力と「人間の条件」 │ 日本原子力学会誌ATOMOΣ │ 65 (12),691-691頁 (単著)
4.	2023/11	メタバース現象考 : ここではないどこかへ(5) │ 群像 │ 78 (11),366-375頁 (単著)
5.	2023/10	メタバース現象考 : ここではないどこかへ(4) │ 群像 │ 78 (10),494-503頁 (単著)
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学会発表
1.	2023/12/10	世代間倫理において未来とは何か──ハンス・ヨナスにおける歴史の問題を中⼼に (第 35 回⽇本⽣命倫理学会)
2.	2023/09/08	原子力の哲学 ―2022年度社会・環境部会賞受賞記念講演― (日本原子力学会 2023年秋の大会)
3.	2023/03/11	超スマート社会における人間の幸福 (テクノロジーは私たちを幸福にするか？——アーレントと『スマートな悪』)
4.	2019/11/24	ハンス・ヨナスの暴力性について (『現代思想』11月号にまつわるシンポジウム)
5.	2019/09/14	保育の責任・教育の責任－－ハンス・ヨナスの倫理学における教育思想
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その他研究活動
1.		世界基準の教養 for ティーンズはじめての哲学
2.	2021/12/21 ～ 2022/05/08	「私たちは破局を回避した」という判断は可能なのか？ (21_21 DESIGN SIGHT企画展「2121年 Futures In-Sight」展)

講師・講演
1.	2021/11/27	未来世代への倫理について
2.	2019/09/21	自己啓発時代の協働と哲学

受賞学術賞
1.	2022/04	日本原子力学会優秀発表賞 (『原子力の哲学』)
2.	2021/03	株式会社エネルギーフォーラム第41回「エネルギー・フォーラム賞」 (優秀賞)
3.	2015/11	白山市明烏敏賞 (「原子力をめぐる哲学ーードイツ現代思想を中心に」)
4.	2015/04	中外日報社涙骨賞奨励賞 (「人類の存続への責任と『神の似姿』―ヨーナスの責任倫理の基礎付けをめぐって」)

科学研究費助成事業
1.	2021/04 ～ 2026/03	ハンス・ヨナスの歴史思想の包括的研究 │ 若手研究
2.	2021/04 ～ 2024/03	テクノロジー時代の人間の条件――アーレント思想の応用可能性 │ 基盤研究(C)
3.	2021/04 ～ 2024/03	『批判版全集』の精査にもとづいたアーレントの思想形成過程の解明 │ 基盤研究(C)
4.	2014/04 ～ 2016/03	世代間倫理をめぐるハンス・ヨナスと討議倫理の思想の研究 │ 特別研究員奨励費

競争的資金等(科研費を除く)
1.	2019/01 ～ 2019/07	地層処分をめぐる住民との対話を促進させる手法の研究 │ 競争的資金等の外部資金による研究 │ 三菱総合研究所地層処分に係る社会的側面に関する研究支援事業

授業科目
1.	プロジェクト演習
2.	プロジェクト演習
3.	プロジェクト演習
4.	プロジェクト演習
5.	応用講読演習Ⅲ
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社会における活動
1.	2022/12/21	アカデミア哲学カフェ第11回「あなたにとって秩序とは？」
2.	2022/12	カルチャーラジオ日曜カルチャー「人間を考える今をよりよく生きるための哲学1」
3.	2022/10/19	アカデミア哲学カフェ第10回「あなたにとってお金とは？」
4.	2022/09/21	アカデミア哲学カフェ第9回「あなたにとってスポーツとは？」
5.	2022/08/24	アカデミア哲学カフェ第8回「あなたにとってコミュニケーションとは？」
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