研究者学術情報データベース

（最終更新日 : 2025-06-02 09:01:59）　

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キヨズミ　ダイジ
淨住　大慈
KIYOZUMI DAIJI

所属総合科学技術研究機構

職名専門研究員

Scopus 論文情報
論文数: 39 Citation: 1099 h-index: 17

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その他所属
1.	総合科学技術研究機構生物資源研究センター

学歴
1.	1998/04/01～2001/08/31	大阪大学大学院理学研究科生物科学専攻博士課程修了博士（理学） (分子生物学)
2.	1996/04/01～1998/03/31	大阪大学大学院理学研究科化学専攻修士課程修了修士（理学）
3.	1992/04/01～1996/03/31	大阪大学理学部化学科卒業学士（理学） (その他)

職歴
1.	2025/05/26 ～	一般社団法人生殖制御医学研究所所長・代表理事
2.	2025/04/01 ～	立命館大学総合科学技術研究機構専門研究員
3.	2023/04/01 ～ 2025/03/31	科学技術振興機構さきがけ研究者（専任）
4.	2023/04/01 ～ 2025/03/31	大阪大学蛋白質研究所招聘准教授（兼任）
5.	2024/04/01 ～ 2025/03/31	自然科学研究機構基礎生物学研究所特任研究員（兼任）
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委員会・協会等
1.	2025/05/12 ～ 2025/09/25	立命館大学科研費申請アドバイザー委員

所属学会
1.	2021/08	日本分子生物学会

研究テーマ
1.	分泌シグナル伝達ルミクリンによる生殖能力の制御機構

研究概要
生物がどのようにして自らの体を作りまたその機能を制御しているのかを、分子レベルで理解することに関心を持っています。特に、細胞が分泌するタンパク質を介した情報伝達によって、組織や個体がどのようにオーガナイズされ、高次生命機能の実現を可能にしているのかに注目しています。これまでの研究で、雄性生殖路（精巣から精子が運ばれる経路）において、新たな細胞間シグナル伝達機構「ルミクリン（lumicrine）」を発見し、それが精子の受精能力を制御する上で重要な役割を果たしていることを明らかにしました。現在は、このルミクリンによる情報伝達と、ルミクリンによって制御される精子成熟の全容を分子レベルで明らかにすることに取り組んでいます。細胞間シグナル伝達というミクロな情報伝達の仕組みを出発点として、最終的に生殖機能というマクロな生命現象がどのように制御されているのか。この研究はその分子メカニズムを解き明かすだけにとどまらず、将来的には、不妊症の診断・治療法の開発や、男性向け非ホルモン性避妊薬の創出といった生殖医療への応用にもつながる可能性を秘めています。

現在の専門分野
機能生物化学, 細胞生物学 (キーワード：生殖、生殖制御、精子成熟、シグナル伝達、ルミクリン)

論文
1.	2024/05/21	Gene-deficient mouse models established by CRISPR/Cas9 system reveals 15 reproductive organ-enriched genes dispensable for male fertility │ Frontiers in Cell and Developmental Biology │ 12 (1),1411162-1411162頁
2.	2024/04/10	Distinct actions of testicular endocrine and lumicrine signaling on the proximal epididymal transcriptome │ Reproductive Biology and Endocrinology │ 22 (1),40
3.	2024/03	プロテオリシスを介した精子成熟メカニズムの解明 │ 日本応用酵素協会誌 │ 58,35-37頁
4.	2024/02/09	Busulfan administration replicated the characteristics of the epididymal initial segment observed in mice lacking testis-epididymis lumicrine signaling │ Journal of Reproduction and Development │ 70 (2),104-114頁
5.	2024/01/02	Expression of NELL2/NICOL-ROS1 lumicrine signaling-related molecules in the human male reproductive tract │ Reproductive Biology and Endocrinology │ 22 (1),3
全件表示（48件）

学会発表
1.	2024/12/02	Regulatory mechanism of epithelial integrity and function by lumicrine signaling （口頭発表，一般）
2.	2024/11/07	経管腔シグナル伝達ルミクリンによる生殖路の高次機能制御（口頭発表，シンポジウム・ワークショップ・パネルディスカッション等）
3.	2024/10/29	Synthesis and structural analysis of NICOL with O-linked glycosylation （口頭発表，一般）
4.	2024/09/13	精子の機能成熟におけるUPR関与の可能性（口頭発表，一般）
5.	2024/03	O-結合型糖鎖を有するタンパク質 NICOLの化学合成とその機能解明（ポスター，一般）
全件表示（67件）

講師・講演
1.	2023/10/20	The molecular mechanisms of mammalian sperm maturation regulated by lumicrine signaling
2.	2023/07/20	ルミクリン：精子の成熟を制御する新しい分泌シグナル伝達
3.	2021/06/29	男性不妊の生物学：最新のゲノム編集技術で見えてきたこと

受賞学術賞
1.	2025/01	公益財団法人杉山記念財団令和6年度SMF論文表彰奨励賞
2.	2023/04	UBE学術振興財団第63回学術奨励賞
3.	2023/03	第37回日本生殖免疫学会総会・学術集会学会賞
4.	2022/03	2021 NIKON JOICO AWARD 優秀賞
5.	2020/11	第15回生命医科学研究所ネットワーク国際シンポジウム若手口頭発表賞
全件表示（8件）

科学研究費助成事業
1.	2025/04/01 ～ 2028/03/31	分泌シグナル伝達ルミクリンによる生殖能力の制御機構 │ 基盤研究(A)
2.	2024/04/01 ～ 2026/03/31	長期安定的な生殖の基盤となる精子成熟制御システム │ 学術変革領域研究(A)
3.	2021/07/09 ～ 2024/03/31	新規因子探索による分泌シグナル伝達ルミクリンの包括的解析 │ 挑戦的研究(萌芽)
4.	2021/04/01 ～ 2024/03/31	新規分泌シグナル伝達ルミクリンの分子機構解明 │ 基盤研究(B)
5.	2021/04/01 ～ 2023/03/31	精子受精能を制御する生殖路管腔環境のデザイン原理 │ 新学術領域研究
全件表示（7件）

競争的資金等(科研費を除く)
1.	2025/04/01 ～ 2026/03/31	新規な経管腔シグナル伝達「ルミクリン」の構造生物学的理解 │ 競争的資金等の外部資金による研究 │ 2024年度自然科学研究助成
2.	2024/05/01 ～ 2025/09/30	プロテオリシスを介した精子成熟メカニズムの解明 │ 競争的資金等の外部資金による研究 │ 2024年度研究助成
3.	2024/04/01 ～ 2025/03/31	ほ乳類の生殖能力を制御する分泌蛋白質の生理機能解析 │ 競争的資金等の外部資金による研究 │ 2024年度客員フェロー
4.	2024/04/01 ～ 2025/03/31	新たな男性避妊薬開発の基盤となる精子成熟機構の解明 │ 競争的資金等の外部資金による研究 │ 研究助成金
5.	2023/05/01 ～ 2024/09/30	プロテオリシスを介した精子成熟メカニズムの解明 │ 競争的資金等の外部資金による研究 │ 2023年度酵素研究助成
全件表示（12件）

研究者からのメッセージ
1.	技術革新がもたらす生命科学の新時代近年の生命科学は、ゲノム編集や多能性幹細胞、オルガノイド形成といった技術革新によって、これまで困難であった生命現象の人為的操作が可能となり、さらには様々な生体情報の計測技術や革新的な情報技術の進展により、私たちが得られるデータは飛躍的に増大しています。しかし、こうした状況の中でこそ、あふれるデータや技術の先にある「科学的・社会的価値とは何か」「その研究がどのように人間や社会に貢献しうるのか」が問われる時代になっていると私は考えています。
2.	生殖をめぐる生命科学と社会の接点私は、生殖機構の解明とその制御可能性をテーマに研究を進めています。生殖とは、単なる生物学的現象にとどまらず、人類の歴史や文化、倫理、社会制度と深く結びついてきた営みです。したがって、生殖をめぐる研究は、生命科学として深化させるだけでなく、その成果がどのように社会課題の解決に寄与し、どのようなより良い未来の実現に資するのかを、人文社会科学の視点も含めた「総合知」として捉え、考えていく必要があると考えています。特に、男性生殖機能の理解と制御技術の開発は、不妊医療や避妊法、人口問題、ジェンダー平等、個人の生殖選択の自由といった多様な社会課題に接続しうる研究領域です。私自身、そのような研究の社会的意義やインパクトを意識しながら、生殖生物学という生命科学の知と、人文社会的知の融合による価値創出を目指しています。
3.	総合知を力に：生殖研究から未来社会への価値創出をめざしてこのような文理融合・STEAM的視点は、研究だけでなく、教育においても重要だと考えています。先端的な科学技術を活用し、生命科学研究を自ら切り拓いていくためには、「学術的基礎体力」（知識を読み解き体系化する力）、「実行実現力」（考え、研究を遂行する力）、「創造的発信力」（社会と世界に向けて価値を提案する力）が不可欠です。加えて、これからの時代の研究者には、自らの専門領域を深めるだけでなく、異なる学問領域の知と対話し、複眼的な視点で課題を捉え、協働しながら新たな価値を創造していく力が求められていると実感しています。私自身、研究と教育の両面で、そのような力を涵養できる場をつくっていきたいと考えています。

ホームページ
researchmap

科研費研究者番号
70452430

researchmap研究者コード
B000230640

外部研究者ID
ORCID ID
0000-0003-3289-227X
Researcher ID