カネガエ ヒデヒコ
鐘ヶ江 秀彦
KANEGAE Hidehiko
所属 政策科学部 政策科学科
職名 教授
言語種別 日本語
タイトル メッセージ
メッセージ 文理融合の社会科学の研究者として、計画理論を検証するためには実証実験が求められるが、社会実験は多くの場合不可能である。そこで実験空間を仮想空間に求め、人工社会で計画実験を行う技術体系の開発をおこなっている。計画のための技術を開発するひとつの方法論が、ゲーミング・シミュレーションであり、適応エージェントや遺伝的アルゴリズムやニューラルネットをベースとして人工社会を用いた計画実験であり、これをデジタル・プランニングと名付けた。この研究アプローチはシステム科学や情報理論といったサイバネティックスに負うところが大きいが、すべての意思決定を機械学習のようなアルゴリズムに任せず、適切にマン-マシンインターフェースによって統合するゲーミング・シミュレーションの系を組み合わせることで、より複雑で複数の人間の思考に耐え得る計画実験を行える装置として研究開発に着手した。この一部として2001-2002年度の「ITを用いた人工社会システムにおける政策科学に関する基礎的研究-統合型デジタル・プランニング・システム・モデルによる開発計画の評価実験-」が科学研究費補助金(奨励研究(A))として採択され、この基礎研究成果として、愛知万博の候補地選定の計画過程を遺伝的アルゴリズムを用いた情報統合過程として人工社会上で再現可能となったため、『遺伝的アルゴリズムを用いた「身のまわりの環境」計画の合意形成過程の記述に関する基礎的研究』としてとりまとめた。
 計画情報の相互作用に関する研究の特徴は、プランナーの取り扱う情報の意味・内容が計画の具体化とともに変質してゆくプロセスを、制御問題に置き換え情報理論を適用すると同時に、計画チームの組織編成やマネ-ジメントの観点を加え、計画行為の全体像を理論的に扱っている。この成果は学位論文「複合型都市開発におけるコンセプト形成に関する研究」として、複合型都市開発におけるプロジェクトチームの計画理論として体系化をおこなう一方、秋葉原再開発協議会との協力による実地適用の事例報告等を国際公共事業学会(IFPW)や国際都市地域計画学会(IsoCaRP)でおこない、IsoCaRPからは都市計画と都市開発の国際入札にも適用可能な若手計画家(Young Planner certificated by IsoCaRP)の資格を授与されている。
 歴史都市防災研究センターにおける文化遺産を核とした歴史文化都市のコンセプトを継承するための地域政策をはじめ、環境・防災・安心・安全といった将来のリスクをカバーする将来の都市と計画のプロセスに関連する観点から、将来の社会のデザインに関する開発・発展に関する観点まで教育研究を展開している。若手研究者については、計画の科学、計画の技術を身につけさせることを主眼に教育をおこなっている。

1 計画情報の観点に立脚した計画理論と計画技術/(1) 計画コンセプトの寿命評価を組みこんだ計画情報プロセス(2) 計画情報相互作用によるシビル・ソサエティの合意形成(3) 計画情報の観点における環境・防災のリスクプランニング 2 人工社会を用いた計画実験 人工社会(進化計画計算論)を用いたプランニングの再現と実験/ (1) Digital Technology of Planning:遺伝的アルゴリズム・適応エージェントによる意思決定モデルを有する社会・経済システムの