シナタニ トクヤ
品谷 篤哉
SHINATANI TOKUYA
所属 法学部 法学科
職名 教授
言語種別 日本語
タイトル 内部者取引規制から探る投資者保護の意味
メッセージ 私の研究テーマは内部者取引規制です。証券取引法の中で内部者取引は不公正取引の代表選手の一つとされます。明るみに出るとメディアはこぞって騒ぎ立てます。「倫理に反する。道義的責任を」の大合唱です。しかしながら内部者取引の違法性は不可疑自明ではありません。倫理や道徳に反すると主張するのは簡単ですが、法と道徳が同じと断言するのは困難です。証券市場に対する国民の信頼を損ねるとの見解にも疑問の余地が残ります。この見解によれば内部者取引の行われた市場は信頼が損なわれたと認識されるでしょう。けれども証券市場で形成された価格には、例えば担保価値算定や相続税算定の際に一定の信頼が置かれます。信頼の損なわれた市場から、どうして信頼に値する価格が形成されるのでしょうか。内部者取引の違法性が必ずしも明らかでないとすれば、投資者保護という言葉の具体的意味も吟味が欠かせません。これまで記してきた小論は、いずれもこうした問題意識を基礎としたものです。