コバヤシ マミ
小林 磨美
KOBAYASHI MAMI
所属 経営学部 経営学科
職名 教授
言語種別 日本語
研究概要 契約理論に基づく企業金融および金融システムのミクロ経済学的理論分析

 現代の上場企業は、雇用、金融、投資などを巡る、さまざまな利害関係の上に成立している。多様で複雑な利害関係は、しばしば関係者間での利害衝突を通じて、企業の目的である利潤最大化を妨げる。ここでは、それらの利害衝突をどのような契約のもとで調整し、利潤最大化を企業に達成させるかという問題を研究課題としている。
 とくに、資金調達や投資といった金融的側面における企業の意思決定をめぐり、契約理論に基づく理論的枠組みのもとで分析している。具体的には経営者と外部投資家、あるいは負債と株式といった異なる契約のもとで企業に資金提供する外部投資家の間での情報格差に起因する利害衝突とその緩和の仕組みについての分析を研究の中心的課題としている。
資本主義経済において富の創出に企業が中心的役割を果たすことから、企業に効率的かつ安定的に資金供給ができる金融システムの在り方をめぐる議論も必要不可欠である。とくに近年では、金融商品の証券化や資金提供者の機関化・大型化への適応を通じて、銀行を中心とする金融機関はその中心的役割である証券代位機能を拡大させてきている。
証券化や投資家の機関化は、金融機関と金融市場の関連をより密接にし、その結果、市場での資産価格の変動に対して金融機関の投資行動が大きく影響されるようになってきている。実際、2007年のサブプライム・ローン問題に端を発した金融危機は、資産価格の下落懸念が金融機関の投資行動に影響した結果、金融システム全体に悪影響を与えた例として記憶に新しい。ここでは証券化や資金提供者の機関化・大型化を背景とした、金融市場と金融機関の密接化の危機波及のメカニズムやその帰結について、理論的な分析を進めることを中心的課題としている。