キミジマ アキヒコ
君島 東彦
KIMIJIMA AKIHIKO
所属 国際関係学部 国際関係学科
職名 教授
言語種別 日本語
研究概要 「平和研究としての憲法9条論」

  日本国憲法9条あるいは日本国憲法の平和主義は、きわめて複雑な、錯綜した研究テーマである。それは戦後日本のアイデンティティにかかわり、政治的政策的文化的に見解の相違・対立が大きい。研究者としてのわたしの目標は、この錯綜した複雑極まりない日本国憲法9条、日本国憲法の平和主義━━その起源、原意、意味・役割の変化、その可能性━━を、人類史の中に位置づけて、できるだけ包括的かつ的確にとらえることである。この研究を遂行するためには、憲法学を越境して、国際関係論、平和研究、安全保障研究の領域に踏み込まざるをえない。簡潔にいえば、次のようなことが論点となるだろう。
  すなわち、1)憲法平和条項の歴史と類型、それとのかかわりにおける日本国憲法9条、2)戦後世界秩序構築の一環としての日本の占領改革・憲法改革、3)米ソ協調から米ソ対立へ急速に変化した戦後国際政治の進行と日本国憲法9条、4)東アジア国際関係と日本国憲法9条、これは日本帝国主義および戦後日本の植民地主義とかかわる、5)パックス・アメリカーナの変化と9条解釈の変化、6)平和主義の概念整理、7)人間安全保障(human security)の主流化と憲法9条、8)越境的市民社会(NGO)による平和創造の主流化と憲法9条、9)「人権としての平和」と日本国憲法、10)これからの東アジアにおける立憲主義・民主主義と日本国憲法、等々である。
   以上の諸点を含めて、日本国憲法9条、日本国憲法の平和主義の意味を明らかにすることは、世界の研究者、とりわけ東アジアの研究者に対する日本の社会科学者の責務であると思う。