タカヤ カズコ
高屋 和子
TAKAYA Kazuko
所属 経済学部 経済学科
職名 教授
言語種別 日本語
研究概要 中国の財政制度改革/中国の三農(農業、農村、農民)問題と社会主義新農村建設・農業産業化

現代中国経済の発展とその抱える問題点について、財政制度改革における中央‐地方関係について、そして都市‐農村経済格差の拡大と農村財政について研究を行ってきた。

財政制度改革における中央‐地方関係については、80年代に導入された財政請負制が、沿海地域を中心とした一部地域の経済活性化に貢献した一方で、中央財政の縮小とマクロコントロールの弱体化を招き、その結果地域格差の拡大を生んだこと、94年に導入された分税制においても、地方政府の反発を防ぐために地方の既得権益を守るための財政移転が行われるなど、中央政府の政府間財政調整が十分ではない点などを指摘した。その上で、今後の改革の方向性として、さらなる税源配分の調整と、各政府レベルの支出責任配分の明確化、そして政府間財政調整制度の整備が必要であることを主張している。
 都市‐農村経済格差と農村財政については、中国が計画経済時代から現在に至るまで、都市と農村の間で税制、行政など異なる統治=都市・農村二元統治体制を実施していたこと、度重なる財政制度改革を実施したにも関わらず、農村に至るまでの財政収入配分や支出責任配分に関する規範化が進んでおらず、政府間財政調整も不十分である点を分析し、そのために所得格差のみならず、公的サービスにおいても都市と農村間で大きな格差を生じていること、農民に対して不公正な税外負担が課されていることなどを指摘した。
このような問題を解消するべく、各レベル政府の支出責任を明確化しそれに見合った収入を如何に確保するかが重要であり、同時に5階層と多い政府階層を整理し3階層程度にまで減らす、過剰な行政人員を削減する等の行政リストラが重要な課題であり、その上で都市・農村二元統治体制を解消すべきであることを述べている。
さらに以上のような研究をもとに、中国が推し進めている社会主義新農村建設及び農業産業化について研究を行った。近年農民の集団抗議が多発するなど、農村・農業・農民(三農)問題の解決は中国の今後の安定的発展にとって重大な課題となっている。政府は三農問題に関する財政補助、投資を増加させインフラ建設や、農業開発、公的サービスの充実に取り組んでいるが、そのための財源を如何に確保するのか、またそれを受け入れる農村政府の効率化や資金の使用管理を如何に行うか、そして農業振興の担い手となる農民を如何に育成し、支援するのかといった問題を研究している。特に農産物を効率的に生産し、品質の向上や加工を通じた高付加価値化と過剰労働力の吸収を実現するとともに、農産物を生産・加工・流通・販売する組織=農民専業合作社を育成する必要があり、それをどのように政府が支援すべきかについて現地調査を行うなど研究を行って来た。
最近は世界的に問題になっている食糧生産・流通の問題について、中国東北地方を中心に調査研究を行っている。

【研究テーマ(1)概要】
社会主義新農村建設及び農業産業化について研究、中国東北地方の食糧生産と流通、中ロ経済関係(中国の対ロ農業投資)