フルカワ コウヘイ
古川 耕平
FURUKAWA Kohei
所属 映像学部 映像学科
職名 准教授
言語種別 日本語
研究概要 無形文化財に関連した歴史的建造物のデジタル仮想復元とその応用

長い歴史を持つ京都、ひいては日本には、これまでに培われた先人の知恵や技術、文化などを、如何に後世に遺し伝えていくかという永遠の課題がある。特に廃れつつある伝統芸能などの無形文化財、年々姿を消していく遺構や建造物などの有形文化財の保護は急務であるが、現物を保存し続けることは困難である。その問題を解決するためのひとつの方向性として、デジタル技術を利用した文化財保護、いわゆるデジタルアーカイブが生まれた。

筆者はその中で有形文化財、とりわけ歴史的建造物のデジタル仮想復元に従事している。

京都は特に伝統芸能と関わりの深い土地であり、能舞台や芝居小屋などの建造物は、その歴史的、美術的価値のみならず、能楽や歌舞伎などに代表される無形文化財にとって、必要不可欠な要素の一つである。
これを文献資料や絵図などを基に、可能な限り忠実にデジタル復元することで、無形文化財のデジタルアーカイブの完成度を高める一助となるだけでなく、歴史的建造物そのものの比較研究などにおける学術的資料としてのデータベース利用が考えられる。

また立命館大学GCOEでは、京都の景観をCGによって時系列的に復元するプロジェクトが推進されており、これと平行して有形、無形の文化財をデジタルデータとして仮想的に復元する作業がおこなわれている。本研究の成果物は、その完成度を高めるための要素としての利用も期待できる。

【研究テーマ(1)概要】
1000年以上の歴史を持つ祇園祭の中で山鉾は大きな役割を持つ。その中で他の鉾と比較して形状的に大きな特徴を持つ船鉾に着目したデジタルアーカイブをおこなう。形状のみならず、組み上げていく際の手順をCGアニメーションで再現することは、後世までの伝統継承に寄与するものと期待される。

【研究テーマ(2)概要】
西本願寺における、日本最古の能舞台・北能舞台を三次元CGによって復元する。 モーションキャプチャを用いたキャラクタアニメーションによる能舞いだけでなく、その舞台や装束、面などの装飾品に至るまで、デジタル復元をおこなうことで、出来うる限り伝統芸能としての「能」の復元を試みる。

【研究テーマ(3)概要】
京都・四条河原界隈にはかつて6つの芝居小屋が存在したが、現時点で南座を残すのみである。江戸期の京都の仮想景観復元を試みる上で、これらの芝居小屋のデジタル復元は必須である。その手掛かりとして、まず香川県琴平町の旧金比羅大芝居のデジタル復元に着手する。