FUJII TAKESHI
Department / Course College of Science and Engineering Department of Architecture and Urban Design
Title / Position Assistant Professor
言語種別 日本語
研究概要 可視領域に基づく建築・都市空間の分析と計画への応用

私は人間の視界に占める特定の景観構成要素の可視量を、立体的に計量する手法を開発し、「人の視界において何がどれだけ見えているのか」という切り口で建築や都市空間を計量的に捉え、客観的な考察を加え、計画への応用手法を考究しています。現在取り組んでいる研究は以下の4つです。

(1)緑視率の計量による都市の緑地環境評価
緑地計画への応用:大学キャンパスや団地を例とした緑視率の分布様態把握
緑地の機能の一つに、緑が見えることによる快適性の提供が挙げられます。緑の可視性の指標としては視界を占める緑の割合である緑視率がしばしば用いられます。大学キャンパスや団地を対象に緑視率の分布様態を把握するとともに、緑視率の確保を勘案した樹木配置の改善案を提示する等の研究に取り組んでいます。

(2)緑視率の効率的な確保を目的とした植栽計画の目安となる設計指標の作成
植栽計画は計画者の感覚に頼る部分が大きく、緑視率の確保が精度よく検討されているとは言えません。緑視率の確保に関して、計画の目安があれば検討の効率や精度は飛躍的に向上すると考えます。樹木のサイズや本数、樹木間の距離など、植栽計画に関する様々な条件と緑視率の数理的な関係をシミュレーションによって明らかにし、植栽計画立案の際に緑視率確保の目安となる資料を作成することを目指しています。

(3)小学校の自然監視性の評価・分析
防犯環境設計は犯罪の起こりにくい環境を構築するための建築都市空間の計画理論を考究する分野です。私は、防犯環境設計の中でも要点の1つとして挙げられる、“見守り度(自然監視性)”の確保に着目して研究を進めてきました。具体的には、分析対象の物理環境をCGモデルによって構築し、外部空間から視認可能な窓の見かけ上の面積を計量することで、小学校の外部空間に対する建物内部からの自然監視性を評価する手法の構築などを行っています。小学校の敷地内のどの範囲に管理の目が行き渡りにくいのか客観的に把握することで、どこを重点的に見まわるべきかといった管理体制の構築に応用できるほか、監視カメラの設置位置の検討にも利用できます。

(4)特定の景観構成要素の可視量に着目した街路景観分析
街路景観分析の分野において、立面図をベースにした景観構成要素の2次元的な分析は盛んに行われてきました。立面図に基づく分析は街路景観の組成を捉える上では有効である一方、実際の歩行者から見た景観の見え方とは乖離するものです。そこで、街路景観の構成要素を歩行者の視点に立った3次元的な可視量分析によって捉えなおすことを試みています。街路の広告物の3次元的な可視量の計量による景観評価や高速道路の高架による都市の視覚的な分断の定量的な把握などに取り組んでいます。