TAKAHASHI Hiroyuki
Department / Course College of Economics Department of Economics
Title / Position Professor
言語種別 日本語
研究概要 スペイン黄金世紀(16・17世紀)の演劇事情 / スペインの風俗・習慣

16・17世紀のスペイン風俗の様子、特に当時の一般大衆がどのように芝居見物を楽しんでいたのかについての研究です。戯曲は舞台に掛けられてはじめて演劇となります。したがって、彼らが見ていたコメディア・ヌエバという新しい演劇様式を文学テクストとして分析するばかりでなく、それがどこで、どのように上演されていたのかについて知る必要があります。

そのため、当時の演劇状況を、
1)芝居興行、2)芝居小屋の運営・管理、3)芝居小屋の構造、4)芝居一座 5)観客、
6)劇作家、7)戯曲、
の観点から分析し、娯楽産業としての芝居の実態を明らかにしようとしているのです。

例えば、聖職者・道徳家たちが芝居興行を不信仰の源泉、悪徳の温床、国家堕落衰退の原因と見なし興行の禁止を求めたのに対し、興行母体は興行収入を慈善事業に投入することでその声を掻き消そうとしたり、芝居一座や観客を厳しく監視し、取り締まろうと腐心しています。そういう中、観客はというと、最大限自分流に芝居見物を享受しようとあの手この手を駆使します。
また例えば、照明・舞台装置などのテクノロジーのなかった時代であっても、芝居小屋の舞台は従来言われてきたほど貧弱ではなく、舞台の「ファサード」の九つの空間を組み合わせて、多様な劇空間を舞台に変幻自在に再現・創造し、スペクタクル性に富んだ芝居を上演し、これに観客は自分の想像力を援用して、そこに融通無碍な舞台空間を描いています。

この時代、多くの劇作家が輩出し、夥しい数の戯曲が書かれています。どうしてなのか。常に新しい趣向を求める観客を芝居小屋に呼び込むために演物を常に刷新する必要があったためです。また作家の立場からすると、戯曲は金になった。作家というものがまだ職業として成り立っていない時代にあって、芝居台本は現金収入に直結していたのです。

【研究テーマ(1)~(4)について】
当時の演劇状況を、分析し、娯楽産業としての芝居の実態を明らかにしようとしている