タニグチ タダヒロ
谷口 忠大
TANIGUCHI Tadahiro
所属 情報理工学部 情報理工学科
職名 教授
言語種別 日本語
研究概要 人を含んだ創発システムの構成論的理解と工学的応用

工学の歴史は現代社会に物質的豊かさもたらしてきた。結果的に、多くの先進国では市民が充分な物質的豊かさを享受し、その飽和を肌で感じるようになっている。その一方で、人と人工物が関わり合う現場では人工物が人から切り離された状態で持ちうる価値と、人を含んだ系において人工物が持ちうる価値の間に差が生まれてきている。その差分こそが、マンマシンシステムに固有の価値であると言える。
人間の排除を理想とした航空機などの自動化設計や原子力発電所の安全設計はヒューマンエラーを排除できずにいる。知能ロボットは観客を閉め出した劇場空間では見事に振る舞うが街中に現われることは出来ず、発売されたペットロボットは決まりきった動作を繰り返し三日で飽きられてしまう。
人工物の機能・性能は多くの場合、ユーザや環境が平均的な状態であること、理想的な状態であること、あらかじめ想定された状態であることを仮定して設計されている。しかし、現実世界は当然のように動的であり、系の主要な構成素たる人間は環境と不断の身体的、社会的相互作用を繰り返す中で適応・学習を通じて変化していく。このような系を理解し、よりユーザに高い価値をもたらす人工物を生み出す為に、そのような系のモデリングを通じた「人を含んだ創発システムの構成論的理解と工学的応用」を主眼に研究を行ってきた。