アマノ アキラ
天野 晃
AMANO Akira
所属 生命科学部 生命情報学科
職名 教授
言語種別 日本語
研究概要 細胞モデルを用いた構成的な組織・臓器モデルの構築及びその解析と応用
、特に心筋細胞モデルを利用した心臓の拍動モデルを構築し全身循環動態モデルを構築
、MRIを用いた心臓の形態学的及び運動の計測及び解析

生体に関するシミュレーションの研究は多岐に渡るが,本研究室では,細胞の生理学モデルに基づいた組織や臓器のモデルを研究対象とし,複数の細胞から構成される系が持つ機能の解明と医学領域への応用を目指している.
 現在は詳細な心筋の生理学モデルを利用したモデル構築を行っており,電気的興奮,収縮力等が高い精度で再現される心筋細胞モデルを10~数万個用いることで,組織や臓器のモデルを構築している.組織モデルとしては,複数の細胞が次々に興奮していく興奮伝播現象と心筋組織が発生する張力の関係についてモデル解析を行っており,最終的には心臓全体での興奮伝播減少と心機能の関係解析を目指している.また,毛細血管を通した酸素や栄養等の物質輸送に関して,毛細血管モデルを構築し,血管に沿った細胞の状態変化を評価している.さらに,臓器モデルとしては,数万要素から構成される有限要素モデルを用いて心臓の運動と心機能の解析を行っており,全身の循環状態の再現と,血管系と心臓のインタラクションについてモデルを通した解析を行っている.
 また,医学領域への応用としては,心筋細胞モデルに対する薬物の作用を,パラメータ最適化手法を用いて推定するシステムの実現を目指している.心筋細胞イオンチャネルへの薬物副作用の確認は,創薬プロセスの中でも重要な過程であり,この問題を簡易な計測法による計測結果を用いて推定する方法は実用的にも重要な技術である.
 このような生体に関するシミュレーション研究は始まったばかりであり,従来の物理現象のシミュレーションとはモデルの複雑さが大きく異なる.将来的にモデルのソフトウェア的な信頼性を保証することが重要になると考えられるので,シミュレーションモデルの形式的記述とそのハンドリングに関する研究も進めている.
 また,心臓拍動のシミュレーションのために,心筋線維方向のデータや運動に関するデータが必要であり,そのためMRIを用いた計測技術に関する研究も行っている.