ヨコタ ユミコ
横田 祐美子
YOKOTA Yumiko
所属 衣笠総合研究機構
職名 助教
言語種別 日本語
タイトル 思考という絶えざる問いへの投入
メッセージ いまの日本のシステムでは残念なことに、長時間労働によって思考する機会を奪われたり、思考する者が危険視されたり、思考停止しているひとたちが強い力をもったりすることによって、「思考すること」そのものが危機的状況に追い込まれています。こうした傾向は、人文学の縮小という政策にも如実に表れているでしょう。  私はこれまでジョルジュ・バタイユという思想家の研究を中心に行ってきましたが、彼にとっての哲学とは、思考とは、たえざる「問いへの投入」とされていました。既存のものをそのままに受け止め、ただ流されるのではなく、このような終わりなき問い直しの運動が、まさに現代を生きる私たちに必要なものではないでしょうか。  思考しつづけることは、たしかにある意味ではしんどいことです。とりわけ、周囲が思考停止しているなかで、ひとりだけ思考を先鋭化し、言葉を発しつづけることは自分自身を疲弊させもするでしょう。それでも、「問いへの投入」によって新たに見えるようになる世界には、それまで気付かなかった多くの可能性があります。それは自分自身の知性や人間性を豊かにする契機でもあるのです。ぜひ多くの方に(哲学的に)「思考すること」の魅力を知っていただけたらと思います。