ドイ ヒデユキ
土肥 秀行
DOI Hideyuki
所属 文学部 国際文化学域
職名 教授
言語種別 日本語
タイトル 研究と教育とアウトリーチについて
メッセージ 専門の研究活動として、現代イタリアの詩を、詩形および韻律の観点から読み込んでいます。イタリア文学は、そのはじまりからこんにちまでおよそ800年以上続く詩の伝統に支えらてきました。僕は特に、その流れにおける「規範」と「逸脱」について思考しています。
 イタリアで本としてまとめたのは、詩人・小説家・映画監督ピエル・パオロ・パゾリーニ(1922-75)についての研究です。日本では映画監督として有名な彼の処女詩集は、「それまで書かれたことのなかった」フリウリ地方の方言が使われています。この発想自体は、誰も読むことのできない詩がそれそのものとしてある、いわば「純粋詩」の文脈に則り、当時のヨーロッパの流行に沿っていました。パゾリーニの方言詩集は、イタリアの僻地での小さなエピソードであっても、文学の根幹に関わる試みでした。いわば「瑣末事」こそ「本質」に関わるという発見が、僕にとっての文学の醍醐味です。
 近年は「短詩形」に拘っています。20世紀以降の現代の詩は、文学の伝統に反し、「短さ」や「速さ」による表現を目指すようになりました。特に日本の短詩形(和歌、俳句)の伝搬が決定的でした。こうして日伊の文学の接触と変容を探っています。これは僕が「国際文化」について学生に語る際、有効な例となる現象です。
 また長い滞伊生活がきっかけとなって、日伊間の「文化交流」に繋がる活動を幅広く行っています。よって異文化のはざまで起こる現象に注目し、様々な要素が混ざりあったものとして世界や自らの存在を見つめ直してみることがきっと人生に活きてくるはず、そんな風に学生にうったえています。
 研究の社会への還元としてアウトリーチ活動も行ってきました。一般の方を対象とした公開講座、カルチャーセンターでの講座担当、大学における講演会や展覧会の企画運営などです。