GOTO SATORU
Department / Course College of Business Administration Department of Business Administration
Title / Position Associate Professor
言語種別 日本語
研究概要 構造化理論を用いた意味のイノベーションのモデル化

 本研究の焦点は、近年新たなイノベーション手法として注目される意味のイノベーションの理論的分析、理論の体系化、実践モデルの開発、及び企業との実践プログラムの実施である。
理論的基礎として、本研究では構造化理論を用いる。構造化理論は、アクターの行為と構造の二重化をベースとし、行為と構造の二極化を避ける。それに対して、過去のデザインマネジメント研究では、主にアクターとしてのデザイナーの行為に焦点が当てられ、組織や社会、技術等の構造的要因とデザイナーの解釈の関係は無視されてきた。しかしながら、実務的に考えるとデザイナーは製品やサービス開発プロセスで自由に解釈を行えるわけではなく、常に構造的要因とのバランスをとりながら開発を行う。そこで、本研究ではこのデザイナーの解釈と構造的要因との関係性を明らかにするために構造化理論を用いる。
さらに、もう一つの理論的基礎としてデザイン・シンキング研究の知見を活用する。この研究領域ではデザイナーがデザインプロセスの中で、どのように考え、推論するかについて多くの知見が蓄積されてきた。ここで明らかとなっていることは、デザイナーが推論としてアブダクションを行うときに、自己のワーキング・プリンシプルを用いるが、このワーキング・プリンシプルを長いキャリアの中で獲得しているということである。さらに、ワーキング・プリンシプルの獲得には、アイデンティティが関連することもすでに指摘されている。
 構造化理論とデザイン・シンキング理論から、デザイナーのワーキング・プリンシプル獲得と構造的要因の関係性を明らかにする。これにより意味のイノベーションプロセスの中心的概念であるインサイド・アウトの理論的体系化を行う。