タラマ ダイスケ
多羅間 大輔
TARAMA DAISUKE
所属 理工学部 数理科学科
職名 准教授
言語種別 日本語
研究概要 可積分系の理論と幾何学

解析力学に起源をもつ有限次元完全積分可能Hamilton系についての幾何学的力学系理論とそれに関連するシンプレクティック幾何学・Poisson幾何学や代数的・複素解析的幾何学を研究している.

これまでは,とりわけ外力を受けない剛体の運動を記述する自由剛体の力学系とその種々の数学的拡張を中心に据えて研究を行ってきた.
自由剛体の力学系は3次元回転群の余接束上のHamilton力学系として定式化され,その完全積分可能性(可積分性)や平衡点の安定性などは古くからよく知られている.さらに,この力学系をより一般のLie群上の可積分なHamilton系へと拡張する研究は1970年代頃から進められてきた.

1.代数的・複素解析的幾何学からの視点:
自由剛体の力学系の可積分性はLax方程式の存在やスペクトル曲線と解曲線とが楕円曲線であることによって特徴付けられる.これまでの研究では,自由剛体の力学系のもつ自然なパラメータに関する変動を行って得られる楕円ファイバー空間の幾何学やモノドロミーを平衡点の安定性についての分岐現象やBirkhoff標準形との関係で研究したり,Lax方程式に付随する固有ベクトル写像のKummer曲面との関係を調べたりした.

2.力学系理論からの視点:
半単純Lie群上の自由剛体の力学系の可積分性は1970年代後半からよく知られているが,その平衡点の安定性解析がはじめられたのは2000年代以降になってからである.このような半単純Lie群上の自由剛体の力学系に関する平衡点の安定性をLie環論やPoisson幾何学等を用いて解析している.

その他にも,上記の一般化された自由剛体の力学系に対応する量子力学系に関する微分作用素のスペクトル問題に表現論的方法を基に取り組んだり,楕円曲面の理論等の複素解析幾何学の手法を用いて可積分系やその一般化であるLagrangeファイブレーションの構成に取り組んだりしている.

今後も,可積分系を含む力学系と幾何学との関係豊かな研究を推進して行く所存である.