ウチダ マサタカ
内田 昌孝
UCHIDA MASATAKA
所属 立命館グローバル・イノベーション研究機構
職名 助教
言語種別 日本語
研究概要 運動が腸管免疫機能に及ぼす影響

成体は外部から侵入してきた病原菌を撃退するために免疫機能を備えている。免疫機能はストレスによって様々な影響を受けることが知られており、高強度運動による末梢リンパ球数の低下や唾液IgA濃度の低下といった免疫機能の低下を引き起こすことが報告されている。さらに、中強度の運動は、唾液IgA濃度の増加や血中NK細胞の活性化などの免疫機能を促進することが知られている。しかし、これらの報告は、全身性の免疫反応を評価した研究であり、腸管局所の免疫機能に対する運動の影響は報告されていない。
腸管は外部から摂取した食物から栄養素を吸収するための組織であるが、同時に外界からの病原微生物が侵入する経路ともなる。腸管免疫機能が破綻したマウスではサルモネラ菌感染による生存率の低下や感染の増大が引き起こされる。このことから、腸管における免疫機能を維持・増進することは感染所の予防につながると考えられる。
腸管免疫で重要な役割を果たす免疫タンパク質としてToll-like receptor(TLR)が報告されている.TLRは細菌を検知して炎症や抗菌成分の産生などの免疫反応を惹起させ,病原微生物の排除に貢献する.また,循環血液中の免疫細胞に発現しているTLR機能を運動が亢進させることも報告されている.しかし,運動が,腸内細菌叢を変化させる腸管免疫に与える影響は解明されておらず,メカニズムの究明にも至っていない.
 そこで、腸管免疫機能に対する運動の影響を運動様式の違いや遺伝子変異動物を用いて検討を行っていく。さらに、近年、腸内細菌叢が腸管免疫に影響していることが報告されていることから、運動による腸管免疫機能変化に腸内細菌叢の変化が関連するのかについても次世代シーケンス法や便移植法を用いてメカニズムの検討を行う。
 疾病予防のための運動を処方する基礎的知見や高強度の運動をするアスリートの感染症予防を行うための基礎的知見が得られる研究になると考えられる。