テイ シュンシュン
鄭 俊俊
ZHENG JUNJUN
所属 情報理工学部 情報理工学科
職名 助教
言語種別 日本語
研究概要 コンピュータシステムの高信頼化と安全確保を実現するための信頼性モデルの開発とその評価技術およびフォールトトレラント(耐故障)技術に関する研究

「研究テーマ(1)概要」
近年、より高い信頼性を要求するソフトウェアシステムが必要とされている。例えば、仮想化技術を用いたシステム、冗長構成を伴うリアルタイムシステムやモバイルクラウドコンピューティングなどがある。高信頼化システムの構築を実現するため、モデルベースアプローチに基づいた感度分析はシステムのデザイン段階において重要な役割を果たしている。感度分析はシステムコンポーネントの重要度(Importance, Criticality)評価に必要不可欠な技術である。特に、コンポーネント重要度分析は、コンポーネントの信頼性がシステム全体の信頼性に与える影響を定量化し、システムの信頼性設計などに利用することができる。コンポーネントの重要度によって、最適なリソース配分ポリシーを提案することが可能となる。一方、システムのコンポーネントの故障が共通原因故障などの原因で従属性がある場合、通常の感度分析アプローチは適用できず、コンポーネント重要度を定量的に評価することも難しくなる。本研究では、高信頼化システムをデザインするための感度分析アプローチを提案している。特に、共通原因故障が発生する環境において、システムのコンポーネント重要度を算出する手法を提案し、共通原因故障がシステム信頼性に与える影響を評価した。

「研究テーマ(2)概要」
コンピュータシステムの信頼性向上技術の一つであるソフトウェアフォールトトレラント(耐故障)技術に関する研究に取り組んでいる。具体的には、ソフトウェア動作環境に対応する最も効率的な若化方策を考えている。ソフトウェア若化(Rejuvenation)はメモリリークやフラグメンテーションに代表されるソフトウェアエージング(Software Aging)と呼ばれる経年劣化現象を予防的に保全するための技術である。この研究領域はまだ比較的に新しいため、多くの問題が未解決のままである。例えば、どのようなシステムがどういった環境で動作すればエージング現象が顕著に観測されるのか、最も効率の良い若化スケジュールをどうやって決めるのか、などの問題を考える必要がある。本研究では、ソフトウェア動作環境(トランザクションシステムなど)を想定し、マルコフ再生過程に基づいたトランザクションシステムの確率的動作をモデル化し、時間制御による若化方策と処理ジョブ数に基づいた若化方策を提案し、数値解析による性能比較を行った。

「研究テーマ(3)概要」
インターネットの発達と情報化の進展に伴って、システムのセキュリティは重大な経営的課題となっている。従って、安全性と信頼性が確保されたネットワークやコンピュータシステムの構築が切望されている。一方、ソフトウェアの脆弱性を対象としたセキュリティ上の危険が益々問題視されている。本研究では、フォールトトレランスの考え方を応用した耐侵入システムの設計や評価技術を提案している。例えば、仮想化技術を用いた耐侵入システムに対して、セキュリティ障害が発生するまでの平均時間を定量的に評価する方法を提案し、システムの性能を考察した上、さらに数値解析による高信頼化システムを設計する方法について論じた。