ハナムラ シンヤ
花村 信也
Hanamura Shinya
所属 経営管理研究科
職名 教授
言語種別 日本語
研究概要 1.のれんの償却、非償却に関する理論的研究、さらに保守会計が企業活動に与える影響についての分析的研究

2.連続時間契約理論アプローチによる経営者報酬システムの設計、特に、ストックオプション、有償ストックオプションの制度設計

3.ディープラーニングの方法による会計情報と株価との価値関連性の実証分析

1.のれんの償却、非償却に関する理論的研究、さらに保守会計が企業活動に与える影響についての分析的研究

本研究は,買収で発生するのれんの減損と償却に関して,のれんを規則償却すべきか,減損会計を適用 すべきかを,理論的に分析するものである。分析については,企業価値の最大化と経営者の効用の最大化の観点から は,減損リスクを考慮しても,のれんを relative benefit rule(RBR)に従って規則償却することが両者にとって最適となることが予想される。一方,規則償却をしないのであれば,株主も経営者も効用は最大化されない。 このとき,減損の可能性が高い場合,株主が経営者への報酬を下げても経営者は努力し,逆に,減損の 可能性が低い場合には,株主が経営者に報酬を払わないと経営者は努力をしない結果となった。すなわち,減損会計が経営者の努力のインセンティブとなっていることが示される。分析にあたっては、経営者のインセンティブと投資家の効用を最大化する=企業価値の最大化をどのように設定するかが論点となる。

2.連続時間契約理論アプローチによる経営者報酬システムの設計、特に、ストックオプション、有償ストックオプションの制度設計

本研究は,動学的な契約理論の連続時間モデルの概要,経営者の損失回避的選好を考慮した Demarzo and Sanikov (2017)の主要な結果を利用して,動学的な観点から誘因両立制約や最適報酬契約の導出を試みる。これにより、譲渡制限付き株式など業績連動型報酬に加えて、業績と相関の低い基本給も考慮して、経営者報酬の体系を株主の観点も踏まえて考察する。経営者の就任期間が限られている場合、経営者の報酬体系を会計数値にしようと、株価連動にしようと、経営者は会計操作を行って行く。自分の就任期間中にだけ会計上の利益を先取りして、費用を後回しにすれば良いからである。このような経営者の行動を前提とした場合、株主がどのように経営者の努力を引き出して、かつ株主価値を最大化できるのか、ということを動学的に考える必要がでてくる。

3.ディープラーニングの方法による会計情報と株価との価値関連性の実証分析

本研究は、株価と会計情報との価値関連性を機械学習、並びに深層学習の手法を利用して実証しようとするものである。先行研究では、実証にあたって残余利益モデル、異常利益成長モデルを利用することで会計情報から株価を算定し、株価に線形回帰をさせることで相関を算定した。これに対して、機械学習の手法を利用することで、会計情報を直接、株価に回帰をさせるだけではなく、会計情報と株価との誤差を最少にするようなパラメータを求める手法を研究していく。これにより、従来の線形回帰による相関を算定する方法から、将来株価を推測していくモデルを開発する。