ナンバ リュウヤ
難波 隆弥
NAMBA RYUYA
所属 理工学部 数理科学科
職名 助教
言語種別 日本語
研究概要 被覆グラフ上のランダムウォークの極限定理

 被覆グラフ上のランダムウォークに関する極限定理の研究を行っている。被覆グラフとは, 有限生成群の作用による有限グラフの無限被覆として与えられる無限グラフであり, 正方格子や三角格子, 六角格子といった周期性を有するグラフの一般化とみなせる。被覆グラフ上のランダムウォークの長時間挙動には, ランダムウォークの対称性・非対称性だけではなく周期性や体積増大度といった被覆変換群に由来するグラフの幾何学的性質もよく影響を与える。ランダムウォークの極限として捉えられる対象にどのような影響が現れるかを確率論, 幾何学双方の視点を大切にしながら解明することが研究の目的である。
 被覆変換群がアーベル群, べき零群のとき, 対応する被覆グラフをそれぞれ結晶格子, べき零被覆グラフと呼ぶ。今まで以下の話題に関して, 主に確率論や離散幾何解析, ラフパス理論等の手法を駆使して取り組んできた。
・結晶格子上の非対称ランダムウォークに関する離散ギルサノフ変換公式
・結晶格子上の非対称ランダムウォークに関する中心極限定理
・べき零被覆グラフ上の非対称ランダムウォークに関する中心極限定理
・べき零被覆グラフ上の大偏差原理と重複対数の法則
今後は(1)可解群のような更に可換性の悪い群を被覆変換群をもつ被覆グラフ上のランダムウォークの極限定理の確立, (2)ブラウン運動とは限らないより広いクラスの確率過程をスケール極限として捉える極限定理の確立, などを目指して研究を進めていきたい。