SAKAI Megumi
Department / Course The Kinugasa Research Organization
Title / Position Senior Researcher
言語種別 日本語
研究概要 日本におけるヒト胚研究倫理の歴史的研究

 これまで、脊髄損傷の医療がどのように形成され展開したのかについて、歴史的に研究してきた。そのなかで、再生医療研究における中絶胎児の「利用」を扱った。中絶胎児の「利用」について、新たな医療を享受しうる患者の立場から検討し、患者が倫理的問題に直面するなかで安全性を重視した「被験者保護」を回路に「患者の知」を確立する過程を記述した。だが、「男性」患者中心の先端医療推進活動は、ジェンダーの視点が弱く、中絶胎児の議論には限界があった。中絶胎児をはじめとしたヒト胚の扱い方は、生命倫理の議論を参照しジェンダーの視点を導入しなくては理解できないが、十分に検討することができなかった。そこで本研究は、研究倫理や生命倫理の議論として再検証する余地が残されている日本の中絶胎児の「保存」に注目する。旧優生保護法下との関連から流産・中絶胎児の標本が作製された文脈や背景および状況に即して歴史的に検討し、女性の身体感覚に影響を与えうる医学的知識や言説がいかに生成されたのかを考察する。そして、ヒト胚および胎児の研究利用における倫理的問題を明らかにすることを目的とする。