KASHIWAKURA SHUNSUKE
Department / Course College of Science and Engineering Department of Mechanical Engineering
Title / Position Lecturer
言語種別 日本語
研究概要 レーザー誘起ブレークダウン分光法と機械学習を併用した自動車用金属素材の高速ソーティング

2030年に向けた国連の達成目標の集合であるSDGs(Sustainable Development Goals)の12条に「持続可能な消費と生産パターンの確保」が明記されたことに象徴されるように、持続可能な循環型社会の形成の必要性が全世界的に共有されている。日本においても2000年度より循環型社会形成推進基本法に基づいた第4次基本計画が2018年に発表されるなど、産学官が一体となって循環型社会の形成を推し進めている。
 各種金属素材のリサイクルはそれぞれの産業団体を中心として積極的に推し進められており、例として鉄鋼はリサイクルの優等生とされそのリサイクル率は90%を超えているが、リサイクル率は重量比で定義されるためそのリサイクルの質的な有効性を反映しない。そのため、例えば自動車や家電を始めとするコモディティ用途に広く用いられるフェライト系のステンレスは磁力線別の過程で普通鋼と一緒くたになるため、普通鋼としてリサイクルされることが多く元来含有していたクロムが有効利用されないという問題が発生する。この資源の散逸の問題はほぼ全量を輸入に依存している鉄鋼添加元素に特徴的な問題であり、この問題を解決するには、現在の日本で主流の選別手法である磁力線別からもう一段階高度な元素情報に基づくソーティング技術が必要になると考えられる。
 レーザー誘起ブレークダウン分光法(LIBS)は高尖頭出力のパルスレーザーを対象試料に照射し、ブレークダウン(電子雪崩)によるレーザー誘起プラズマ中にアブレーションによって取り込まれた対象試料原子の励起/脱励起光を計測することで元素の定性/定量分析を行うものである。その動作は極めて高速であり、1秒間に数十の測定を行うことも可能である。LIBSスペクトルは各種の金属素材によって特有のパターンを示すが、そのどれもが一般的には行ベクトルで表わされるため、機械学習によるパターン認識と極めて相性が良い。
 自動車に用いられる耐熱鋼にはSUSXM15J1(18Cr-13Ni-4Si), SUS436J1L(19Cr-0.5Mo-Nb), SUH446(25Cr)といった特殊な組成を持つものが多く、それぞれの耐熱鋼の製造プロセスに原材料として投入できるようにこれらをLIBSと機械学習を併用して精緻に分類することをこの研究の目標としている。