カツラジマ ノブヒロ
桂島 宣弘
KATSURAJIMA Nobuhiro
所属 文学部 日本史研究学域
職名 教授
言語種別 日本語
タイトル 新しい日本思想史の構築をめざす
メッセージ 徳川思想史を自分の専門にするに至った契機は、'95年3月で立命館大学文学部をご退職された故衣笠安喜先生のゼミに所属したことにありますが、個人的には思想的に混迷を深めるかに見えた'70年代の状況に向き合うために、徳川時代以来の日本思想史の勉強を始めてみたいと思ったことが関係しています。

当時、安丸良夫『日本の近代化と民衆思想』や子安宣邦『宣長と篤胤の世界』が世に問われ、方法論的にも丸山真男以来の視点が問い直され始めていたことも大きな刺激になっていたと思います。
以来、金光教などの民衆宗教研究、平田篤胤以降の幕末国学の研究を続けて今に至っていますが、80年代の自分の研究については『幕末民衆思想の研究』として何とかまとめることができました。
また、90年代の研究については『思想史の19世紀』として'99年3月に刊行しました。その過程で徳川日本に「他者」としてアプローチする必要性を痛感しました。方法論的にも、M・フーコーやアナール学派などの問題構成を射程に入れた新しい日本思想史の構築をめざしたいと思っています。

こうした点を盛り込んで、2005年『増補改訂版 幕末民衆思想の研究』を刊行しました。

2000年に北京日本学研究センターに派遣されて以後は、「方法としての東アジア」の構築を痛感するようになり、2006年と2013年にそれぞれ韓国東西大学校・高麗大学校に一年間滞在する中で、トランスナショナル・ヒストリーという新しい視点と出会いました。こうした方法・視点を盛り込んで2008年『自他認識の思想史』を刊行しましたが、幸いなことに、本書は韓国語・中国語にも翻訳されました。

2019年、これまでの研究成果・教育成果をまとめて,『思想史で読む史学概論』を刊行しました。